女性内科では生理不順更年期障害を主に診ています

  生理不順;生理が規則的に来ない状態です

  月経困難症;生理痛でお悩みの方の治療です

  更年期障害;閉経前後のご婦人の様々な悩みに対応します

 

生理不順や無月経などのトラブルが起きるのは、ホルモン分泌の量が減少しているのが原因です。

 

①ずっと順調だった生理が、妊娠した覚えがないのに突然来なくなってしまった

②生理の間隔が延びていつ次の出血が来るのかわからない、あるいは

③出血がダラダラと繰り返され、生理なのか不正出血なのかさっぱりわからない

このように、生理出血に関するさまざまな心配をお持ちの方は少なくはありません。

 

ホルモン分泌が滞ると、生理不順だけでなく、自律神経のバランスが乱れから、頭痛や冷えなど体のあちこちにも影響がでてきます。

生理が順調にこないのは、女性ホルモンが順調に分泌されていない証拠です。

 

女性ホルモンの乱れが起きる原因として、主に次のようなものが考えられます。

①仕事や人間関係のストレスが多く心が不安定になっている

②無理なダイエットをして食事の内容が偏っている

③過度な運動をしている、あるいは逆に運動不足で体が冷えている

④睡眠不足が続いていたり、喫煙や飲酒の健康に良くない習慣がある

⑤思春期や更年期などの元来女性ホルモンが不安定な時期にある

⑥卵巣や下垂体、甲状腺などに異常をきたす病気や薬の副作用など

⑦一般の鎮痛剤で治まらない頑固な生理痛には、子宮内膜症のケースが考えられます。


更年期障害の治療

1)不足しているホルモンの補充治療を行います。女性は保険診療、男性は自由診療です
2)抗うつ剤や抗不安剤など、適切な精神安定薬を使用します
3)場合によっては、自律訓練法や認知行動療法が有効な場合があります。

 

更年期とは閉経をはさんだ前後4~5年くらいのことをいいます。

更年期には女性ホルモンの分泌が急激に低下し、これが体にさまざまな影響を及ぼします。

更年期の時期ににうつ症状を伴うことも多く見られます。

更年期障害の症状;抑うつ症状と強い不安感



①更年期には女性ホルモンの分泌量が減少し、これが脳の視床下部にある自律神経中枢に影響を及ぼすことから自律神経失調症状が引き起こされます。自律神経失調症状の代表的なものに、のぼせ・ほてり・発汗などの「ホットフラッシュ」があります。

②更年期になると家庭環境や社会環境によるストレスが増加。子離れ、夫の定年、肉親との死別、介護疲れ、老後への不安、肉体や容姿の衰えなどさまざまなストレスが引き金となって精神症状が起こり、自律神経失調症状と影響し合って更年期障害の症状を深刻にしています。

③更年期障害の精神症状には、憂うつ、イライラ、不安感などがありますが、中でも憂うつは閉経女性の約40%に認められており、最近の調査ではホットフラッシュよりも頻度が高いといわれ、更年期のうつ病の可能性も考える必要があります。

更年期障害に見られる精神症状が、うつ病の症状の一部であるケースもあります。また、更年期障害で現れる憂うつや不安、不眠といった症状の悪化によってうつ病になる場合もあります。心身の不調が続くときは、更年期だから仕方がない、とあきらめる前に、うつ病ではないかと疑ってみることも必要です。

特に、強い憂うつ感や意欲の低下が続くときは、「更年期うつ病」の疑いがあります。
PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、産後のうつ経験がある方は更年期にうつ病になりやすいという報告もあり、注意が必要です。

 

更年期障害には上記以外に、下記のような症状があります

1)血管運動神経系の症状ーほてり、冷え性、熱感、発汗、寝汗、動悸、頭痛
2)イライラ、不安、不眠、記憶力減退、もの忘れ、頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、
3)抑うつ、気分減退、倦怠感、しびれ、知覚過敏、鈍麻、蟻走感
4)運動器系の障害ー腰痛、肩こり、関節痛
5)腹腔臓器系の症状ー悪心、おう吐、腹痛、便秘、下痢、腹部膨満、食欲低下、頻尿

当クリニックで十分に対応できない場合は、婦人科にて下記のような検査を受けることをお勧めしています。
1)超音波検査で子宮、卵巣の大きさ、癒着の有無などをチェックし、同時に骨盤内のようすを確認します。
2)骨盤内の癒着が強くなると各臓器の動きが悪くなり、診察時にも痛みを感じるようになります。
3)子宮が腫れたようす(腺筋症)や、卵巣に血液がたまったチョコレートのう胞も、同時に確認されます。
4)また採血検査で血液中のCA125値(マーカー)を計測します。


月経困難症の薬物療法

①鎮痛剤
ロキソニンやボルタレンなどお薬によってはかなり痛みをコントロールすることが可能です。これらはプロスタグランディン(Pg)の合成をブロックするもので、機能的な生理痛には効果が期待できます。しかし内膜症の根本的な治療には次の薬剤が必要です。

② 低用量ピル
排卵のあったあとには、卵巣から黄体ホルモンが分泌されます。そしてこの黄体ホルモンが子宮内膜中にプロスタグランディンという物質を増加させ、このプロスタグランディンは子宮を収縮させる作用を持ち合わせていますので、腰痛、腹痛をはじめとする生理痛を誘発すると考えられます。したがって、痛みを楽にするには、排卵を止め黄体ホルモンの分泌を抑え込んでしまう対応が有効です。
それにはピルが最も簡便な方法で、排卵は抑えられますが生理は停止しないことからも使いやすく、比較的症状の軽い方が適用となります。内膜症に対しては保険適応となる低用量ピル(ルナベル)も発売されています。

③ ディナゲスト療法
最近開発された黄体ホルモン剤で、このお薬を持続的に服用すると低エストロゲン状態が生じて排卵もストップし、優れた鎮痛効果が得られます。また、ディナゲストは内膜症に直接働きかけ、病巣を縮小させる作用も有します。比較的長期間の投与が可能で、その間生理は止まりますが、副作用として不正出血を訴えられる方もいらっしゃいます。 

機能性子宮出血

生理以外の子宮からの出血で、特別な病気を持たなくておこるものを、機能性子宮出血と呼びます。原因には、女性ホルモンの分泌不全があると考えられ、ほとんどの場合出血は自然に治まりますが、なかなか止まらないケースでは、止血剤や女性ホルモン剤の投与を行う場合もあります。

1)若年性出血;

生理が始まったばかりの年齢の方にみられ、周期は不順で、大多数は無排卵性であるのが特徴です。
2)プレ更年期出血;

閉経を迎える前の少しずつ女性ホルモンが減り始める30歳後半~40歳前半の年齢(プレ更年期)の方に出現しやすく、排卵障害とともに不定期に出血を認めます。原因は日常のストレスによってホルモンをコントロールする自律神経のバランスが不安定になり起こっていると考えられます。
3)排卵期(中間期)出血;

性成熟期の女性で、排卵期のホルモン分泌の変動に子宮内膜が過敏に反応すると、短期間に少量の出血をみることがあります。

更年期障害でお悩みの方は、ぜひ私たちにご相談ください。

男性にもある、更年期障害

 

男性の場合、40歳代から60歳代で、男性ホルモンのテストステロンが下がると、頭痛、不眠が続き、筋肉が減り、骨がもろくなるなどの身体症状が現れます。テストステロンは精神面にも大きく影響しており、 分泌量が減ると、意欲が衰え、気持ちが沈みがちになってしまいます。実際、「テストステロンが低い人はうつ病になりやすい」という報告もあります(Endocr J 59(12);1099-105,2012)。

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